TEL:052-508-7373
個別記事ページ

中間省略登記はできる?

不動産業者さん等、この登記に近い分野で専門の仕事をされている方にたま~に誤解がある。

それは「中間省略登記はできる」というイメージ。

誰か、どこかでやった、やってもらったという噂が常識化し、一人歩きしている感があるような気がします。

もちろん裁判上で判決を取っただとか、法律上認められているものもあります。

しかし、

「中間省略登記をしないのは司法書士の怠慢で、無駄な登記申請をさせて奴らが儲けるためにそんなことぬかしてるんだ!」

僕が何年か前であった業者さんはそうまで言い切りました。゚゚(´O`)°゚

たしかにA→B→Cに所有権を移転させるのに、A→Cに一発で申請してしまえば、税金も手間もかからない。

そしてBさんの同意を中心に、ABCの同意があり、誰も損しないような状況なら文句はないだろうという話は筋は通っています。

ただし、不動産登記の意味がその所有権の動きの公示であり、そういう意味では原則を破っているんですね。

この原則を破ることに例外を設けることは、登記全体の信頼を守る上で、そう易々と作られてはいけないです。

これが法務省なり、司法書士会なりの昔から一貫した考え方(おおよそ)。

だから、中間省略登記はできないんです・・・、といっても、納得は出来ない人が多かった(ノ_-。)。

でも、今日、事務所の判例研究会で紹介された判例がズバリ出来ないと判事してくれているので、紹介します。

☆☆☆

東京高等裁判所判決 平成19年(行コ)第234号

判決日付 平成20年3月27日

建物所有権移転登記申請却下処分取消等請求控訴事件

☆☆☆

要旨

1、中間省略登記は申請情報と登記原因情報との内容と合致しないので、却下事由に該当する

 申請情報はA→C なのに、登記原因情報情報はA→B→C は別の話を原因にしてるよ~。Bに同意があるとかないとかの話に意味はないし。

2、旧不動産登記法時代の登記原因証書の代わりとなる申請書副本で、中間省略登記をやられた場合は、登記官が形式的審査権しかなくて、原因までも調査できなかったから、事実上申請が通ったという事実はあったかもしれない。

ただ、昔から中間省略登記を認めていたわけじゃないし、本来なら却下されるべき申請だった。

☆☆☆

ざっくり過ぎますが、上記のような話です。

分かりやすく記載したつもりが、少し趣旨が偏ったかもしれません。。(;´Д`A “`

納得できない人は、判決全部を読んでもらうのが一番分かりやすいかもしれませんね 

僕は実直で、良い判決と感じましたし、気持ちよく読めましたよ~ (゚▽゚*)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です