最近、司法書士らしいブログを書いていなかった気もするので、たまには仕事の話を。
自分の業務は比較的分野に偏りは少ないのが特徴的です。
というより、「登記業務は何だってかかってこい」が持ち前です。
平均的な司法書士と異なる特徴と言えば、交通事故案件に少し詳しいことくらいでしょうか。
(おまけですが、社労士の資格も持っているので、労務も詳しいって宣伝もしておきます)( ̄ー ̄)
さてさて、今回のご依頼は「合資会社を株式会社に組織変更して、その際に資本金を1000万にして欲しい」というもの。(もともとの出資金は100万円)
合資会社の登記申請時代がレアなものでありますが、さらに組織変更、さらに実質の増資と浅井も出会ったことがない案件です。
そもそも商業登記は事前にどれだけ知識を蓄えておくかで、依頼者の対応のスマートさが変わってくるように思えます。
しかし、頻繁にある依頼される仕事以外だと、当然、初めて経験する分野があります。
「初めて経験する分野=分からない分野」ではプロではありませんので、浅井は石橋を叩く程度の知識のおさらいをしつつ、法務局にも足を運んで確認するよう心掛けています。
そうしてきて、これまでちゃんと仕事を完成させてきたし、また依頼者の満足を得られる仕事ができていると思っています。
今回、自分が意識していなかった知識で「登録免許税法施行規則第12条1項2号」に出会いました。
簡単にいえば、「組織変更の際に、元々あった資産の額を超えない部分の税率は1.5/1000だけど、超える部分については7/1000のだよ」という話の、さらに細かい規定が設けられている規則です。
司法書士試験を経験していれば実質の増資部分は7/1000の税率を課すことは当然と覚えているものですが、よくよく条文をつぶさに見ると「財務省令で定めるものを超える」部分となっています。
その、財務省令の部分を定めているのが、この「登録免許税法施行規則第12条1項2号」です。
僕の記憶では試験勉強で「財務省令」がネタになったことはなかったように記憶しています。
この財務省令の規定では、「合名・合資会社については900万円を超えるものについて7/1000」としています。
僕は、この900万円という金額を初めて見たので、新たな発見をさせられたと同時に、この条文の読み方に少々悩みました。
つまり、僕が受けた依頼のケースだと資本金額が1000万円なので「900万円に1.5/1000を乗じて、残りの100万円に7/1000を乗じる」のか、元々の資産の額100万円は増額部分ではないので、この財務省令の定める900万円には含まず、「1000万円に1.5/1000を乗じてしまって良い」のか・・・
実際の条文は負債の額の控除や社員に対して交付する財産の価格等の割合を計算したりと、相当に複雑ではあるのですが、なかなか読み応えがあるので、興味のある方は一度ご覧下さい。
ちなみに、法務局で確認したところ、その登記官も「900万円に1.5/1000を乗じて、残りの100万円に7/1000を乗じる」のパターンに読めるんじゃないかと意気投合してしまいました。
ま、でも、今回の依頼のケースであれば、前者でも後者でも計算した額が3万円に満たないので3万円だって話なんですけどね(´▽`)
話のオチがこの条文の読み方の答えではなくてゴメンナサイ☆
実際に免許税が3万円を超える申請に出会った方は、申請される法務局に事前に打ち合わせされることをお勧めしま~す