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民事信託(家族信託)は「出口」で差がつく|組成者が最後まで依頼者の面倒をみる覚悟があるか?

今回は民事信託(家族信託)の実務についてブログ記事にしたいと思います。

弊所は東海地方でも最も古く、また、長く民事信託(家族信託)を取り扱っている司法書士事務所の一つになります。これは浅井が興味をもって実践を始めるのが早かったのもありますが、多くの仲間や機会に恵まれ、今のノウハウが集積していった、事務所の強みであり大切な財産だと思っています。

浅井が勉強や研究を始めたのが平成22年で、実務として扱いを始めたのが平成23年から平成24年にかけてですので、15年以上の対応を民事信託(家族信託)の第一線を走り続けている自負がありますので、経験からいろいろ見えてきたことがあります。

そこで、間違いなく言えるのは、一番大切なのは、民事信託(家族信託)を組成することではなく、組成をしたことによって、将来的に期待したゴールに確実にたどり着けるかです。

ゴールは組成の段階では、イメージがあっても、不確実なものです。

また、このゴールは依頼者のイメージと、組成時の専門家の理解が完全一致するのも難しく、また変化し続けるものです。法律職はどうしても法的な効果と実利を計算できますが、感情的なこと、家族間の関係的なところを完全理解したり、改善・修復することまでが魔法のように解決できるわけではありません。

法的な手続きでできること、できないことがあるのは事実で、何でもできるというのは嘘と言ってよいはずです。ただ、それでも、できるだけ依頼者の期待にこたえたい思いはあるので、一緒に頑張っていきたいと考えています。

 

賃貸アパートやマンション、テナントビルを所有するオーナー様を中心に、民事信託(家族信託)は「認知症による資産凍結を防ぐ有効な手段」として広く認知されるようになりました。

しかし、実務の相談現場において私たちが強く実感しているのは、「家族信託は、組成した瞬間よりも『運用中』と『終わらせる時(出口)』にこそ、本当の難しさと設計の差が出る」という事実です。

一般的な雛形を使って契約を結び、登記を済ませて安心していたものの、数年後に「物件を売却したいのに条項が邪魔をして身動きが取れない」「将来の税務負担が重すぎて後悔している」「受託者となった子どもが日々の管理義務に困り果てている」といった実際の悩みに直面するケースは少なくありません。

民事信託(家族信託)において、なぜ「出口の検討」と「組成後の伴走(信託の組成後も責任をもって対応してくれるか・ゴールまで継続して関与していく覚悟が専門家にあるか)」が不可欠なのか、司法書士法人浅井総合法務事務所の実務視点から詳しく解説します。

 

  1. 家族信託の成否は「出口(信託終了・承継)」から逆算できているかで決まる

家族信託を設計する際、多くのケースで「親が認知症になったらどうするか・現時点で信託をしたらどうなるか」という入口に近い部分ばかりに焦点が当たりがちです。しかし、収益不動産を含め、その方の財産全体はほぼ生き物です。社会情勢、不動産市況、税制、さらには家族構成の変化に応じて、将来どのような選択肢も取れる「柔軟な出口」を契約条項に組み込んでおく必要があり、また、変化できるようにしておく必要があります。

① 途中で状況が変わった際の「変更・終了条項」の柔軟性

「老朽化したため1棟だけ売却して現金化したい」「大規模修繕のために別の融資を引きたい」といった事態が生じた際、契約内容が硬直的だと受託者単独での機動的な判断ができません。 契約条項にあらかじめ「信託財産の一部の処分」や「状況変化に応じた条項変更の要件」を綿密に定めておくことで、将来の不動産経営の自由度を確保が肝要です。

② 残余財産の帰属と税務・登録免許税の落とし穴

信託は、受益者(親など)の死亡等によって終了を迎えます。この時、信託されていた不動産は「残余財産」としてあらかじめ指定された帰属権利者(子どもなど)に移転します。 ここで注意すべきは、承継のさせ方によって相続税や、所有権移転登記に伴う登録免許税(固定資産税評価額の0.4%か2%か)、不動産取得税、その他税務上の特例の適用等、その負担が大きく変わる点です。出口の受け皿を誰にし、どう引き継がせるかを税理士と連携して綿密にシミュレーションし、また継続的に管理していなければ、思わぬコストが発生します。(これは信託したから発生する面倒ではなく、していなくとも当然にやっていかねばならない対応でもあります)

③ 二次相続・遺留分侵害額請求への配慮

民事信託(家族信託)の大きな特徴に「後継ぎ遺贈型(受益者連続型)信託」があります。「父→長男→長男の子」といった形で、遺言では指定できない数代先までの資産承継順位を指定できる仕組みです。 しかし、信託財産の承継先を特定の相続人に偏らせすぎると、他の相続人から「遺留分侵害額請求」を起こされ、泥沼の紛争に発展するリスクがあります。財産全体のバランスを見極め、代償金などの交付の財源確保まで見据えた出口設計が求められます。

 

  1. なぜ「作って終わり」の事務所に依頼すると失敗するのか?

家族信託は「公正証書を作成して不動産の信託登記を入れれば完了」という単発の手続きではありません。むしろ、登記が完了した日こそが「受託者による長期的な財産管理のスタート地点」です。

せっかく信託に取り組むなら、ここを安心して継続していく環境がとても重要で、組成時の時間的金銭的コストをかけるべき部分と考えます。とはいえ、専門家報酬をあげるためにこのようなことを言っているのではなく、これらを専門知識のない一般のご家族が独力で、かつ長年にわたって適法にやり続けるのはやはり、難しさがあるのも事実です。

受託者となったお子様が管理方法に迷ったり、他の親族から「本当に適切にお金を管理しているのか」と疑念を持たれたりすることで、家庭内の亀裂を生む原因になっては、もともこもないので、サポートしてもらえる環境は確認が必要です。

 

  1. 一般的な信託サポートと当事務所の取り組みの違い

司法書士法人浅井総合法務事務所では、「契約書の作成」にとどまらず、依頼者の将来にわたって安心して資産を運用・承継できるよう、組成前から組成後まで一貫した伴走体制を整えています。

項目 一般的な家族信託サポート 司法書士法人浅井総合法務事務所
信託契約の設計 認知症対策を主眼とした定型的な雛形 売却・建替え・税制変更を見据えた柔軟な変更・終了条項の個別設計
出口戦略(資産承継) 親死亡時の大まかな承継先の指定のみ 二次相続・遺留分・終了時の名義変更コスト(登録免許税)まで逆算
金融・税務の事前調整 信託口口座の開設や税務検証はお客様任せ? 取扱金融機関の事前審査から信託に強い提携税理士との連携までワンストップ対応
組成後のアフターフォロー 登記完了をもって業務終了 受託者支援業務、定期報告サポート、売却・修繕時の随時リーガルチェック

 

依頼者や金融機関から、民事信託(家族信託)に関するよくあるご質問(FAQ)

賃貸アパートに既存の銀行借入(残債)があっても家族信託は利用できますか?

利用可能ですが、融資元の金融機関との事前協議および承諾が必須です。金融機関に無断で不動産を信託すると、借入金の「期限の利益の喪失(一括返済請求)」条項に抵触する重大なリスクがあります。当事務所では、金融機関との条件交渉や債務引受・信託内借入の事前設計も含めてサポートいたします。

 

費用はどのくらいかかりますか?

弊所の家族信託の費用は、単純に信託財産の何%としておりません。適正な費用を精査して、どの依頼者にも公平にかつ、業務量に合わせた明確な指針と価格表を設定しています。信託契約の内容、想定存続期間、信託する不動産の種類や評価額、既存ローンの有無、金融機関との調整難易度によって異なります。当事務所では、初回のご相談時に状況を丁寧にヒアリングした上で、必ず総額の概算お見積りを書面でご提示いたします。費用感にご納得いただいてから正式な受任となりますので、まずはご安心の上ご相談ください。

 

途中でアパートを取り壊して建て替えたり、売却することはできますか?

信託契約書にあらかじめ「受託者による売却権限」「借入・建替え権限」が適正に盛り込まれていれば、親御様が認知症になった後でも受託者の権限で実行可能です。当事務所では、将来の資産組み換えを阻害しない契約設計を標準としています。

 

資産を守るために、民事信託(家族信託)に興味があれば、まずはご相談ください

民事信託(家族信託)は、不動産の将来を託す極めて重要かつ長期的なプロジェクトです。だからこそ、「契約書を作れるか」ではなく、「数年後、数十年後の出口まで見据えているか」「運用中に困った時、いつでも相談できるパートナーがいるか」という視点で専門家をお選びいただくことが何よりも重要です。

司法書士法人浅井総合法務事務所では、収益不動産を多数保有するオーナー様の実務実績に基づき、事前のリスク診断から組成後の継続サポートまで責任を持ってお手伝いいたします。

「現在検討している信託内容に落とし穴がないか確認したい」「財産の最適な承継方法を知りたい」という方は、初めてのお問い合わせも歓迎しておりますので、どうぞお気軽にHPのご予約フォームからお問い合わせください。

 

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司法書士法人 浅 井 総 合 法 務 事 務 所

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司法書士 社会保険労務士 行政書士 民事信託士 浅 井 健 司