私の遺言執行をお願いします。
2009年12月8日
カテゴリー:司法書士
「自分の生涯に悔いはないです。ただ心残りだったこの家のことと、自分自身の整理ができて、ほっとしています。本当に今日はありがとうございます。そして、この先お願いします。」
年齢としてはまだまだ若い、初老の紳士はそういって、少し目をつむり、天井に目をやりました。
熱い目頭の先に広がる光景は、彼の歩んできたいろいろな情景が涙で滲みながら広がっていることに間違いはなく、その短い時間の濃さは筆舌に難いものです。
先日、公正証書遺言作成の証人として、公証人とその現場に立ち会いました。
インフォームドコンセントは余命を知らせるだけの怖いものではく、人は幸せにできる手段の一つと教えられました。
幸せを真剣に考える時間を一緒に共有でき、そして期待に預かれる司法書士の仕事というものは、まだまだ僕の知らない可能性と醍醐味が詰まっていそうです。
期待に応えられる、しっかりとした仕事をできるよう、襟を正し、さらなる精進をすると約束せずにはいられません。